実務でも使える!?サイバーセキュリティのツールまとめ

Cyber Security セキュリティ

はじめに

現代のIT社会において、サイバーセキュリティはもはや専門家だけの問題ではなく、すべての組織・個人にとって欠かせない重要課題となっています。日々進化する脅威に対抗するためには、適切な知識とツールの活用が不可欠です。

この記事では、サイバーセキュリティの現場で実際に使用されている代表的なツール(ネトレーションテストや脆弱性診断、ログ解析、マルウェア解析、など)に関して、それぞれの特徴や用途など、調べことを忘れないように記録しておくことを目時としています。

サイバーセキュリティに関して学習している方や、セキュリティ対策をより実践的に行いたい方の参考になれば良いかと思います。

※ご注意※
 ・ツール利用に関しては自己責任でお願い致します。(法律に触れるような行為を行わないようご注意ください)
 ・ツール利用により発生したインシデント及びトラブルに関して当方は責任を負いかねますのでご了承ください。
 ・最新情報は各ツールの公式サイトなどをご確認ください。

ツール

調べたものから記載していきます。随時更新入れます。
分類とか難易度とかは主観なのでご了承ください。
※難易度)初級:★、中級:★★、上級:★★★

ネットワーク

ツール名分類説明用途開発元・提供元ライセンス対応OSGUI / CLI難易度公式サイト
Wiresharkネットワーク解析ネットワーク上の通信パケットをリアルタイムでキャプチャ・解析できるツールです。TCP/IPの詳細解析やプロトコル調査、トラブルシュートなど幅広い場面で使われ、初心者にも扱いやすいGUIを備えます。ネットワーク診断、侵入調査、通信解析Wireshark Foundationオープンソース(GPL)Windows, macOS, LinuxGUIあり、CLI版 (tshark) あり★~★★★https://www.wireshark.org/
FiddlerネットワークプロキシWeb通信(HTTP/HTTPS)をローカルプロキシとして傍受し、リクエストやレスポンスの内容を分析・改変できるツールです。SSL通信の復号にも対応し、APIやWebアプリ開発・診断に広く利用されます。Web通信の解析、改ざん、デバッグTelerik(Progress)無料(商用利用には制限あり)Windows, macOSGUIあり★~★★https://www.telerik.com/fiddler
Dshellネットワークフォレンジック米陸軍が開発したPythonベースのネットワークフォレンジックツールで、PCAPファイルから特定のプロトコル通信を解析するのに特化しています。攻撃トレースやマルウェア通信の検出に有効です。PCAP解析、侵害調査、通信トレースU.S. Army Research Labオープンソース(BSD)Linux, Windows (WSL経由)CLI専用★★~★★★https://github.com/USArmyResearchLab/Dshell

Web

ツール名分類説明用途開発元・提供元ライセンス対応OSGUI / CLI難易度公式サイト
Burp SuiteWebセキュリティ診断Webアプリの脆弱性診断に特化した統合ツールで、プロキシ、スキャナ、改ざん機能などを備えています。Pro版は自動スキャンが可能で、OWASP Top 10対応の診断にも活用されます。Webアプリの脆弱性診断PortSwigger無料版と有料版(Pro)ありWindows, macOS, LinuxGUIあり★★~★★★https://portswigger.net/burp
OWASP ZAPWebセキュリティ診断OWASPが提供する無料のWebアプリ脆弱性スキャナー。GUIと自動スキャン機能、API統合機能を備え、初心者にも扱いやすく、CI/CD連携にも対応。Burp Suiteの代替としても使用されます。Webアプリの脆弱性スキャンOWASPオープンソース(Apache 2.0)Windows, Linux, macOSGUIあり、CLIあり★~★★https://owasp.org/www-project-zap/
sqlmapWebセキュリティ診断SQLインジェクションの脆弱性を自動検出し、データベース操作や情報抽出、パスワードハッシュの取得まで可能な高機能ツール。Webセキュリティ診断の定番であり、ペンテストに必須です。SQLインジェクション診断、データ抽出sqlmap developersオープンソース(GPL)Linux, Windows (WSL経由)CLI専用★★~★★★https://sqlmap.org/

フォレンジック

ツール名分類説明用途開発元・提供元ライセンス対応OSGUI / CLI難易度公式サイト
FTK Imagerフォレンジックディスクやファイルシステムをイメージ化し、デジタル証拠の抽出・保全を行うツールです。操作性に優れ、メモリダンプやEメール抽出も可能。証拠改ざんを防ぎつつ、正確なコピーを作成できます。証拠保全、ディスクイメージ取得、フォレンジック調査Exterro (旧AccessData)無料(商用利用可)WindowsGUIあり★★https://exterro.com/ftk-imager
log2timelineフォレンジック複数のログファイルを統合し、時系列でインシデントを可視化するツール。Plasoと組み合わせて使用され、フォレンジック調査で攻撃の痕跡を時系列に整理するのに活用されます。タイムライン分析、フォレンジック調査Google / オープンコミュニティオープンソース(Apache)Windows, Linux, macOSCLI専用★★~★★★https://github.com/log2timeline/plaso
Registry RipperフォレンジックWindowsのレジストリファイル(.hiv)を解析し、痕跡情報(USB接続履歴、実行プログラム等)を抽出するツール。フォレンジック調査の初動確認に役立ちます。レジストリフォレンジック、証拠分析Harlan CarveyオープンソースWindowsCLI専用★★https://github.com/keydet89/RegRipper3.0
UserAssistフォレンジックWindowsレジストリのUserAssistキーに記録されたユーザー操作履歴を解析するツール。実行アプリや使用時間などから内部不正の兆候を調査可能で、フォレンジック用途で使われます。ユーザー行動分析、フォレンジックオープンソース(複数作者)オープンソース / 無料WindowsGUIあり/CLIあり(ツールによる)★★https://www.mitec.cz/ua.html
Volatility FrameworkフォレンジックRAMイメージを解析するための最も有名なオープンソースツールで、プロセス情報、ネットワーク接続、DLL、レジストリなどを抽出可能。マルウェア分析やインシデント対応に活用されます。メモリ分析、マルウェア調査、IRVolatility Foundationオープンソース(Apache 2.0)Windows, Linux, macOSCLI専用★★~★★★https://www.volatilityfoundation.org/

バイナリ解析

ツール名分類説明用途開発元・提供元ライセンス対応OSGUI / CLI難易度公式サイト
Binutilsバイナリ解析GNU Binutilsは、バイナリ解析・編集・リンク・アセンブルなどを行うためのツール群です。objdumpやreadelfなどを含み、逆アセンブルやELF解析に使用されます。リバースエンジニアリング、マルウェア解析GNU Projectオープンソース(GPL)Windows, macOS, LinuxCLI専用★★~★★★https://www.gnu.org/software/binutils/
gdb-pedaバイナリ解析GDB(GNU Debugger)に拡張機能を追加するツールで、レジスタやヒープ構造の可視化、ROPガジェットの検出など、Exploit開発に役立つ機能を多数備えています。バイナリ解析、Exploit開発、CTFlongld(GitHub)オープンソース(GPL)LinuxCLI(GDBの拡張)★★~★★★https://github.com/longld/peda
Immunity Debuggerバイナリ解析Exploit開発者向けのGUIベースのWindows用デバッガで、Pythonスクリプトによる自動化も可能。バッファオーバーフローやROP開発に特化した機能を持ちます。リバースエンジニアリング、Exploit作成Immunity Inc.無料(商用利用は制限あり)WindowsGUIあり★★~★★★https://www.immunityinc.com/products/debugger/

終わりに

サイバーセキュリティの世界は、まるで終わりなき脱出ゲーム。

新しい脆弱性が見つかれば、すかさず新たな攻撃手法が生まれ、防御側はそのたびに知識とツールをアップデートする日々です。まさに「知っている者」が「守れる者」。
まとめたツールたちは、そんな情報戦を生き抜くための“デジタルの盾と剣”のようなものかもしれません。

もちろん、ツールだけで全てが解決するわけではありません。最後にモノを言うのは、使う人間の“好奇心”と“想像力”。たとえば、ネットワークの隅に残されたパケットログから、何が起きたのかを読み解けるかもしれませんし、1行のYARAルールが大規模な感染を未然に防ぐ鍵になるかもしれません。

サイバーセキュリティは「怖い」から「面白い」へ。そんな感覚を持って関われたら良いかなと思っています。

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